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2019年8月3日にアメリカのテキサス州で、4日にはオハイオ州で銃の乱射事件が発生しました。

トランプ大統領はこれを受け、会見で「事件はゲームに影響された」とも取れる発言を。

 

これによって、ゲーム関連企業の株価は下落しました。

トランプ大統領は、どのような意図でこのような指摘をしたのでしょうか?





アメリカで2件の銃乱射事件が発生!動機やゲームとの関連は?

引用:https://www.irasutoya.com/

2019年8月3日、アメリカのテキサス州、エルパソで銃の乱射事件が発生しました。

この事件で、20人が死亡し、26人が負傷したと報じられています。

 

現行犯逮捕されたのは21歳の白人男性。

容疑者は事件前、インターネット上に「ヒスパニックのテキサス侵攻に対抗する」という内容の投稿をしていたそうです。

 

事件の起こったエルパソは、人口のほとんどをヒスパニック(スペイン系)が占めています。

白人至上主義とみられる容疑者は、これについて「文化や民族が侵略されている」として犯行に及んだ模様。

 

また報道によると、インターネットの書き込みには、人気FPSゲームである『コール・オブ・デューティー』に触発されたと示唆される内容もあったとか。

クッソ迷惑なこと書き込んでくれましたね。

 

さらに、この事件からおよそ13時間後、アメリカオハイオ州でも銃の乱射事件が発生してしまいます。

こちらは9名が死亡し、少なくとも27名が負傷したとのこと。

 

なお、後者の事件は犯人が警官に射殺されたため、詳しい動機については明らかにされていません。

トランプ大統領は事件にゲームの影響があったと指摘!発言内容やその意図とは?

引用:BBCニュース

アメリカのトランプ大統領は事件を受け、5日に会見を開きました。

この会見では、前述した『コール・オブ・デューティー』に影響されたとの情報からか、次のように発言しています。

Second, we must stop the glorification of violence in our society.

This includes the gruesome and grisly video games that are now commonplace.

It is too easy today for troubled youth to surround themselves with a culture that celebrates violence.

We must stop or substantially reduce this, and it has to begin immediately.

Cultural change is hard, but each of us can choose to build a culture that celebrates the inherent worth and dignity of every human life.

That’s what we have to do.

 

[意訳]

第二に、我々は社会における暴力の美化をやめなければなりません。

これには、今やありふれた、恐ろしくもおぞましいテレビゲームが含まれます。

今日、問題を抱えた若者が暴力を祝う文化に身を包むのはあまりにも簡単です。

我々はすぐにでも、これを規制するか、あるいは大幅に減らす必要があります。

文化を変えるのは困難なことです。しかし私たちは、「あらゆる人間が持つ、それぞれの価値と尊厳を認め合える文化」を構築するという選択ができます。

それが、私たちがしなければならないことです。

2019年8月5日、米国トランプ大統領による会見の書き起こし原稿から抜粋

会見でトランプ大統領は、「ゲームは暴力の美化」「規制等をする必要がある」などの発言をしたんですね。

 

もちろん、すべてのゲームを言っているわけではないはずです。

対象となっているのは、必要以上にグロテスクな表現をされたゲームなのではないでしょうか。

 

また、好意的に解釈するのなら、「問題を抱えた若者が」暴力的なゲームに身を投じるのを規制する、ととれなくもない...かもしれませんが。

※原稿中の「第四に」で、「重大なリスクをもたらすと判断された人」が銃器にアクセスできないようにする必要がある、と発言しているため

 

トランプ大統領は2018年3月にも、「暴力的ゲーム」について、ゲームメーカーと会談を行っています。

 

その場では、『コール・オブ・デューティー』や『Fallout』、『デッドバイデイライト』などの動画を用いて、「これは暴力的ではないか?」と参加者に問いかけたとのこと。

私もその動画を見てみたのですが、「まぁ...うん、決して暴力的ではないとは言えないよね」と言える物でした。

 

しかし、これまで多くの研究で、「ゲームと暴力的事件に直接の関係はない」との結果が出ています。

トランプ大統領もそれを知ってか、この階段では一方的なものではなく、議論の余地があったとのこと。

 

ところが今回の事件で、「ゲームが原因のひとつ」であるかのように発言したことから、ゲーム業界からは大きな反発が出ています。

銃規制派のヒラリー・クリントン氏はtwitterで、「同じゲームは世界中で遊ばれている」と反論しました。



トランプ大統領の発言でゲーム関連企業の株価が下落!今後の規制につながるのか?

引用:Google

アメリカの大統領ともなれば、その発言による影響力は計り知れません。

実際、前述の発言があってからは、矢面に立たされた『コール・オブ・デューティー』の開発元である「アクティビジョン・ブリザード」の株価がおよそ3.4ドル下落する事態に。

 

また、「アメリカでゲームが規制されるかもしれない」という投資家の心理から、暴力性の高いことで有名な『グランドセフトオート』の「テイクツー・インタラクティブ」、『バトルフィールドシリーズ』を手がける「エレクトロニック・アーツ」、そして米国で人気の高い『フォートナイト』の親会社である「テンセント」などが、軒並み株価を下落させています。

 

なお、「テイクツー・インタラクティブ」は第1四半期の利益や売り上げが予想をはるかに上回ったことから、即座に株価を回復させました。

期待値がすさまじく、発売も近い『ボーダーランズ3』が貢献したのかもしれません(3発売の発表で過去作の売り上げが伸びた模様)。

それだけに、大統領の発言がなければ、もっと上がっていたのでは...と悔やまれますね。

 

トランプ大統領の会見で、ゲーム業界に大きな波紋が広がりました。

とはいえ、「ゲームの影響」については、会見で述べられた「4つの要因」のひとつでしかありません。

(それでも株価等への打撃は大きいですが...)

 

米国の上層部でも、「ゲームと暴力事件」を関連付けることに反対している勢力は多くいるようです。

トランプ大統領も、彼らの意見に耳を傾け、必要以上にゲームが規制されないよう、祈るばかりですね。

 

もっとも、日本人的には「そもそも、先に銃の販売を規制するべきなのでは?」と思わずにいられませんが。

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