任天堂やSONYなどゲームの発展はめざましいのにも関わらず、eスポーツ先進国の韓国から見ればかなり遅れを取っている日本。実際こちらの記事で紹介した通りeスポーツに対しては反対意見も多く、未だ普及が中々進みません。
eスポーツオリンピック開催に反対?賛成?採用されない理由とは?
日本でのeスポーツ普及には問題点があるのでしょうか?どうしても気なったので今回はその問題点を解決すべく調べてまとめてみました。
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このページの目次
どうしてeスポーツは日本で普及していないの?
eスポーツの普及が進まない理由として基盤づくりのための『PCゲームが流行っていない』『選手の発掘が遅れている』の2つが挙げられます。それぞれ解説していきますね。
eスポーツで主流の『PCゲーム』が流行っていない
お隣の韓国や中国はeスポーツ先進国ですが、日本は一歩も二歩も遅れているような状況となっています。
これは、日本でのゲームに対する認識が家族や子供が楽しむ「家庭用ゲーム機」(WIIやDS、switchなど)または「アーケードゲーム」になっているからではないかと考えられます。
しかしeスポーツとして取り上げられるタイトルはPCでのタイトルがほとんどです。
韓国ではゲームで遊ぶ=PCゲームで遊ぶという認識になっているため、その時点でかなり差があります。
『著作権問題』
以前大阪のBARなどでeスポーツカフェ・BARなどが一斉に検挙されてしまったことがありました。
これはお店などで音楽を使う場合、著作権料を支払わないといけない仕組みと同じ。
一般的なカフェやバーで企業が作ったゲームを売りに営業を行う場合、著作権が発生してしまいます。
ゲームを使ってお客さんを集める場合は風俗営業第5号という別の許認可を取らなければならないのです。
店舗運営者からすると結構めんどくさいことでもありますし、許認可が降りるまで時間がかかります。
結果的にeスポーツ施設がまだまだ少ない、普及していないといった事態になっています。
『eスポーツ選手の発掘が遅れている』
日本では上手いプレイヤーが発掘できるようなイベントなどが少なく、プロ選手の発掘という部分でも大きく出遅れています。
バスケットボールB.リーグのレバンガ北海道ではeスポーツチーム立ち上げを行っていますが、その際に選手募集ということでインターネット上のフォームから選手希望者を募っています。
これは通常のスポーツシーンではまずありえない話で、例えるなら読売巨人軍が一般に野球の上手い人を公募するかという話と同じになってしまいます。
現状、日本では大きな知名度のある大会が少ないということもあり選手がアピールできる場が少ないためこのような状況になっているのではないかと考えられます。
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eスポーツの賞金が出せない!?3つの問題点とは?
また普及にも関わってくる問題の1つとしてeスポーツの賞金問題もあげられます。
実は日本でeスポーツの大会で賞金は出せないんですよね。
アメリカだと億単位で賞金が出て注目も一気に集まったりするのですが…
日本だと法律上ちょっぴり難しいんです。
eスポーツ大会で賞金が出せないと言われる理由には3つあります。
「賭博法」「景表法」「風営法」この3つです。
結論から言うといずれの3つの法律ともeスポーツ大会で賞金が出せないということをうたっているわけではありません。詳しく一つづつ見ていきましょう。
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eスポーツの問題点その1『賭博罪問題』
平たく言うとお金を賭けてゲームをしてはいけませんよという決まりです。1円を賭けてじゃんけんしても賭博罪にあたります。裏賭博問題などでも話題になっているのがこの法律ですね。
「じゃあパチンコはなんで許されてんだよ!」という意見もあるでしょうがパチンコの仕組みは
『パチンコ店がパチンコ玉と商品(プラスチックのカード)を交換する』
→『商品(プラスチックカード)を違うお店が買い取る』
というギリッギリのグレーゾーンで商売しているので問題にされることはありません。
一応法律ではOK?といった認識になっています。
eスポーツは大会での盛り上がりが興行収入となることも多いので賭博問題がとりざたされることも少なくありません。
ですがこれは簡単な話で「参加料を集めない」という大会にすれば解決できます。
参加者から集めたお金で賞金をまかなうという方式では違法になってしまいますが、そのお金が施設利用料であったり、運営費に使用するということであれば全く問題はありません。
eスポーツの問題点その2『景品表示法問題』
以前R6Sプロリーグの告知の一文に
「※日本チームが優勝した場合、日本の法律の都合上、賞金を受け取ることができません。あらかじめご了承ください」
との注釈が書かれていたことで話題になったのが『景品表示法』です。
これは高額な景品(賞金)を餌にお客さんを誘導しちゃだめですよという法律です。ゲームの開発元がゲーム大会を開催する場合にこれが適応されてしまう可能性があります。
とはいってもeスポーツの大会賞金は景品に当たらないとみて良いです。
これが、ゲームタイトルの販売促進プロモーションのために行われたイベントで、ゲーム開発元から賞金が出る場合、景品表示法に当たってしまいますが、eスポーツの大会における各選手のプレーは「仕事」とみて、それによって貰うお金は「仕事の報酬」として考えられるため、景品表示法に当たらないとされています。
eスポーツの3つの問題点その3『風俗営業法』
これもeスポーツ賞金の切り口から平たく言うと、儲けのためにゲームセンターや施設などで大会をやらないでねという決まりです。
この問題も参加費無料で賞金をゲームセンター持ち出しにすれば問題ありません。
参加費を取るものでも規制対象外になる場合もあったりと非常にややこしい法律でもあるので、整理がうまくできておらずグレーゾーンとなっているのが現状です。
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eスポーツの日本の問題の今後は?
まずはeスポーツに対して正しい認識を整理することが大切なのではないでしょうか。
日本は法律上、高額の賞金を出せる大会ができないというわけではありませんのでその認識をまず世間一般に浸透させていく必要があるのではないかと考えます。
その上で、コンシューマー機と言われるニンテンドースイッチであったりPS4だけでなくPCゲームの発展を後押しするようなものが必要です。
You TubeやTwitchのゲーム実況者などはPCゲーム発展への架け橋になりえると考えられるのでこういったSNSをきっかけにPCゲームの認知度向上を狙えるイベントなどの開催が望まれます。
eスポーツとして取り入れられるタイトルはほとんどがPCゲームタイトルです。PCゲームの発展なくしてeスポーツの発展なしとも言えるでしょう。
eスポーツの日本での問題とは?まとめ
今回は日本におけるeスポーツの問題点をまとめてみました。
まだまだわかりやすい法整備であったり認知度の向上であったりとやらなければならない問題は山積みとなっているのがおわかりいただけたのではないでしょうか。
決して日本で賞金大会が開けないということではないため今後高額賞金大会が開かれる日がいつか来るかもしれません。